ILFORD製のモノクロミックフィルムのお話です。
店舗で手に入るフィルムの中でもラインナップの豊富なILFORDですが、以下のPANシリーズは旧型乳剤を特徴とするフィルム群です。私は旧型乳剤タイプのフィルムが好きなので、自然と出番が多くなります。
- ILFORD PAN F+ 50
- ILFORD FP4+ 125
- ILFORD HP5+ 400
全体としては粒子は細かく整っており、整然とした描写をするフィルムのように感じます。とはいえDELTAシリーズのような現代的なそれとは異なり、適度な粒状性が「らしさ」ある風情を見せてくれます。
ILFORD PAN F+ 50
クリーミーな連続トーン。階調の再現性において出色の逸品です。
金属板のひずみ、ビニールの反射、異なる素材の質感をきっちり描き分けてくれます。また一枚目は強烈な快晴の下ですが、それでも指の質感を飛ばさずにしっかりと描写しており、特に夏日には頼もしいフィルムです。
ILFORD FP4+ 125
中庸感度ながら整った粒子を見せるフィルム。レンズのシャープネスを生かしつつ、モノクロフィルムらしい画を作り出すことができます。少々コントラストは高めです。個人的には特にRodinalを使った静止現像との相性が素晴らしいと感じます。
ISO125 という感度もなんとなく好印象。増感も難なくこなします。