フィルムレビュー: ILFORD PAN Series

ILFORD製のモノクロミックフィルムのお話です。

店舗で手に入るフィルムの中でもラインナップの豊富なILFORDですが、以下のPANシリーズは旧型乳剤を特徴とするフィルム群です。私は旧型乳剤タイプのフィルムが好きなので、自然と出番が多くなります。

  • ILFORD PAN F+ 50
  • ILFORD FP4+ 125
  • ILFORD HP5+ 400

全体としては粒子は細かく整っており、整然とした描写をするフィルムのように感じます。とはいえDELTAシリーズのような現代的なそれとは異なり、適度な粒状性が「らしさ」ある風情を見せてくれます。

ILFORD PAN F+ 50

DVW-0023
Nikomat EL, NIKKOR-H Auto 50mm F2, ILFORD PAN F 50 (Pro lab. Developed)
DVW-0035
Nikomat EL, NIKKOR-H Auto 50mm F2, ILFORD PAN F 50 (Pro lab. Developed)
DVW-0003
Nikomat EL, NIKKOR-H Auto 50mm F2, ILFORD PAN F 50 (Pro lab. Developed)

クリーミーな連続トーン。階調の再現性において出色の逸品です。

金属板のひずみ、ビニールの反射、異なる素材の質感をきっちり描き分けてくれます。また一枚目は強烈な快晴の下ですが、それでも指の質感を飛ばさずにしっかりと描写しており、特に夏日には頼もしいフィルムです。

ILFORD FP4+ 125

DVW-0025
Nikon F3, Ai NIKKOR 50mm f/1.8S, ILFORD FP4+, Rodinal (x100 dil.) 静止現像 1hr.
DVW-0026
Nikon F3, Ai NIKKOR 50mm f/1.8S, ILFORD FP4+, Rodinal (x100 dil.) 静止現像 1hr.
DVW-0029
Nikon F3, Ai NIKKOR 50mm f/1.8S, ILFORD FP4+, Rodinal (x100 dil.) 静止現像 1hr.
DVW-0006
Nikon F3, Ai NIKKOR 50mm f/1.8S, ILFORD FP4+, Rodinal (増感400) 撹拌現像

中庸感度ながら整った粒子を見せるフィルム。レンズのシャープネスを生かしつつ、モノクロフィルムらしい画を作り出すことができます。少々コントラストは高めです。個人的には特にRodinalを使った静止現像との相性が素晴らしいと感じます。

ISO125 という感度もなんとなく好印象。増感も難なくこなします。