二眼レフカメラ Lubitel 166 Universal のインプレ(レビュー)と作例。
以前Lubitelで撮った写真が出てきたので、誰かの参考のために。
カメラ本体の話
ヤフオクで入手。完動美品ながら価格は2,700円。
筐体は軽いかと思いきや(実際軽いのだが、それでも予想よりは)ずっしりしている。
ファインダーはほぼ素通しのガラス面になっていて、中央の磨りガラス部分でピントを見る。ファインダーの蓋裏に小さなルーペがついているので、それを起こして一眼レフの接眼レンズのように覗き込み、ピントを合わせることになる。
(私は裸眼なので推論だが)メガネを掛けている方には使いづらさがあるかもしれない。ルーペなしでの合わせ込みはゾーンフォーカスくらいが限界だった。
フォーカスノブ(というかレンズのギア)は適度なトルク感とスムーズさを備えていて、そこは細かい合わせ込みにも不自由しない。
シャッターは撮影のたびに自分でチャージする必要がある。巻き上げも赤窓式で、オートマットのように自動停止はしないし、二重露光の防止もない。
写りの話
意外なことに総じてシャープに写る。上のカットではモケットの編み目の質感まで描写されている。絞り値を記録していないが、もともと開放F値が4.5なので、さほど絞ってはいないだろう(適当)。
ピント面はシャープだが、後ろボケにグルグル傾向があり、さらに逆光にはめっぽう弱い。このあたりはIndustarなどのロシアレンズに似ている。
露出計がないカメラなので、絞りとSSを決めるのにAndroidアプリのLightMeterを使っている。精度に全く不満はなく、むしろ測光範囲を目視できるのでカメラ内蔵露出計よりも便利だったりする。
私見
もちろん筐体そのものはプラスチッキーだし、開放F値4.5だし、手ブレしやすいとかSSが稼げないとかそういうアレは探せばいくらでもあるが、これは真っ当に写真が撮れる真っ当なカメラだ。それだけの機構が3,000円以下で入手できる。数多のモデルが溢れる市場において、ある種の清涼剤のような存在だと思う。
チャージの手間は内部メカの動きを想像させてくれる。手ブレが怖ければどこかに置くか、単に明るいところを選んで使えばいい。こうして手間を手間と思わずに使っていた頃が、結局いちばん充実していた気がする。